ひた走る道で思い出す

知らない道をひた走る
知らないから戻れない道をひた走る

薄暗い 雲の中にかすむピンクの夕日
一瞬 雲の隙間からのぞいている

一瞬
ほんの一瞬

 

山奥の大蛇の道をひた走る
帰りたくなる道をひた走る

真っ暗闇 うるさいほどまぶしく光る山賊が
なんやら怖い アクセル全開通り過ぎる

一瞬
ほんの一瞬

 

気づいたら大きな草原にいてあったかい太陽が木々を照らす
わざと目をつぶって太陽を見ると
オレンジ色や黄色や赤色が見えるんだよ

忘れていた幼い感覚を
一瞬
ほんの一瞬 思い出す

 

人は 一瞬を覚えている
忘れていても

それは

めぐりめぐって思い出す